PIからのメッセージ

分子遺伝学(旧 生化学第一)のページへようこそ。

私たちの研究室では、異物(病原体や腫瘍)と宿主(免疫)の相互作用を主な研究命題として、(1)記憶T細胞の分化と維持の機序(倉知教授)、(2)遺伝子改変酵素群AID/APOBECのウイルス感染における役割(喜多村講師)、(3)インフルエンザウイルス(榎並准教授)について研究を進めています。

学類生・大学院生・研究員募集

私たちの研究に関心のある方の参加を大歓迎いたします。これまでの研究経験や出身大学/学部は問いません。学類生(MRT)、大学院生、研究員など、皆さんのバックグラウンドやキャリア段階に応じて様々な形で対応できます。私たちの研究テーマに興味を抱いたら、気軽にkurachi[at]med.kanazawa-u.ac.jpまで連絡をください。是非、一緒に研究しましょう。

自己紹介

私は石川県金沢市で育ち、1997(平成9)年に金沢大学医学部医学科を卒業した後、内科学を志しました。金沢大学で3年間の臨床研修を行った後、消化器・肝臓学研究室に所属し、2000(平成12)年から東京大学・分子予防医学(松島綱治教授)で研究を行い、学位を取得しました。大学院修了後は、臨床研修時代に慢性ウイルス性肝炎・肝硬変・肝細胞癌症例を多数診療した経験から、ウイルス感染症に対する免疫応答に強い興味を抱いて東京大学に残り基礎医学研究へ進みました。ウイルス免疫応答で鍵をなすCD8陽性T細胞の分化研究に一貫して取り組み、松島研究室では反復感染刺激が誘導するT細胞の老化現象やケモカイン受容体CXCR3によるT細胞分化制御機構などを明らかにしました。
2011(平成23)年から米国ペンシルバニア大学John Wherry教授のもとで、T細胞分化制御に関わる転写因子の研究に従事し、エフェクターT細胞分化のパイオニア因子BATFを同定して、転写因子複合体がクロマチン構造を調節する過程を明らかにしてきました。
2018(平成30)年9月1日付で金沢大学医薬保健研究域医学系・分子遺伝学(旧 生化学第一)を担当させていただくことになり、18年ぶりに故郷の金沢大学に戻ってきました。今後、金沢大学でさらにT細胞分化の研究を発展させて、生命科学にとって最も重大なテーマの一つである「免疫記憶」の分子基盤を解明し、慢性感染症や癌などの治療へつなげることを目指したいと考えています。

医学類(医学部)学生教育

医学類学生教育では、「医薬保健学基礎」や「生化学・分子生物学」の講義・実習などを通じて主に1年生と2年生の教育を担当します。また、3年生の基礎配属や、医科学研究者・研究医を養成するMedical Research Training (MRT)プログラムも担当します。生化学や分子生物学は最も基幹的な医学の一つであり、全ての分野の医師・研究者の基盤となります。また、医学生にとって初めて学ぶ専門科目の一つでもあります。1年生が円滑に医学習得を開始できるか?という大役をしっかり務めていきたいと思います。
日進月歩の医学・医療を理解し、さらに自ら新しい医学知を創出するには継続的な学習の姿勢が極めて重要です。2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した、抑制性受容体阻害剤による癌免疫治療を例にとると、PD-1分子の発見(1992年―私は当時医学部2年生)から臨床認可(2014年―私は40代前半)まで、20年強という時間軸で教科書を全く書き換えるような変化が生じています。今後、医学・医療が益々加速度的に発展することを考えると、今の医学生はまだ生まれてもいないパラダイムシフトを医師・研究者として何回も経験することでしょう。金沢大学で医学を修めた人材が将来に渡って様々な分野で活躍し続けることができるように、私は内科医の経験も活かして、単に結果や事実を暗記することに留まらず謙虚に生命現象の原理を考える姿勢を伝えたいと思います。そして学術動向や外部環境の変化に力強く対応でき、自ら変革を生み出して世界に発信可能な医学・医療人材の養成に取り組みたいと考えています。

大学院生研究指導

私は金沢大学を卒業した後、金沢の外で世界中から集まった個性溢れる同僚達と切磋琢磨する経験を得ることができました。そして良質な医学研究教育コミュニテイで研究・教育が複層/複視眼的に行われることで、異分野間の刺激や融合が思いがけないブレイクスルーや人材を生み出すことを体験してきました。金沢大学で医学研究に関わる若い方がそのような体験を通じて世界に羽ばたいていけるように力を尽くしていきたいと思います。

詳しい研究テーマについては研究の内容ページを見て下さい。研究室で重視したいキーワードを以下にいくつか挙げてみたいと思います。(1)主に免疫記憶T細胞の分化と治療応用に興味があり(2)分子〜細胞〜個体の様々な切り口や研究手法を組み合わせて(3)多少の困難があっても何かを明らかにしたい!という気持ちがあれば是非、連絡してください。
大学院課程では(4)知識、研究手技、プレゼン技術の習得や一つ一つの実験結果を出すことはもちろん大切ですが、もっと重要なことは周囲の研究者と刺激し合って(5)医科学研究の基本作法を学ぶことだと思います。『問題点を見いだして整理し、自由な発想に基づいて研究を展開し、結果について研究仲間と論理的に繰り返し討論して検討し、まとめ上げて記述して、人類知を積み上げていく。』 この基本作法をしっかりと会得することで、(6) 学術動向や外部環境の変化に力強く対応でき、自ら変革を生み出して世界に発信可能な医学・医療人材を一緒に目指しましょう! そして、研究活動を通じて(7)生涯を通じて切磋琢磨する研究仲間を作り、(8)成長感や達成感を持って次のステージに挑戦していくことができるように全力でサポートしていきたいと思っています。